このブログでは様々なプログラミング言語の使い方を紹介します。
主にZig、PHP、Go言語、C言語について解説し、更にはFLTK、Raylib、OpenGL等も取り上げます。
Zigは非常に新しい言語です。
Goが新しい形のPHP、Carbonが新しいC++、Kotlinが新しいJava、TypeScriptが新しいJavascript、Swiftが新しいObjective-Cのように、Zigは新しい形のC言語と考える事が出来ます。
初めて見ると、Zig言語は難しそうに見えますが、約1週間使ってみれば、そう難しくは感じなくなります。
現在、最新バージョンは0.10.1ですが、今週中には0.11.0のリリースが予定されています。
このシリーズではそのバージョンを使用します。
C言語は16ビットの世代で作られましたが、Zigは64ビットの世代で作られたため、Zigの方がモダンな言語といえます。
Zig言語は、Rustのような安全性とGo言語のようなシンプルさを持っています。
コードの違いを以下で示します:
#include <stdio.h>
int tuika (int a, int b) {
return a + b;
}
int main () {
int a = 1;
int b = 2;
printf("%d\n", tuika(a, b));
return 0;
}
const std = @import("std");
fn tuika(a: u8, b: u8) u8 {
return a + b;
}
pub fn main() !void {
const a: u8 = 1;
const b: u8 = 2;
std.debug.print("{d}\n", .{tuika(a, b)});
}
よく見ると、スタイルは殆ど同じです。
ただし、main関数の戻り値はintではなくvoidになります。
そして、Zigではintが一つの型ではなく、様々なサイズ(u8~u128、i8~i128)があります。
また、C言語で「型名 変数名 = 値」や「戻り値の型名 関数名 (パラメータ)」と表現するところを、Zig言語では「変更可否 変数名: 型名 = 値」や「公開・非公開 fn 関数名(パラメータ) 戻り値の型名」と表現します。
バージョン0.11.0がリリースされれば、パッケージマネージャからインストール出来る様になると思います。
そうでない場合は、以下のコマンドを実行してください。
まず、LLVM16以上が必要です。
それをインストールしたら、Zigをコンパイルする方法は:
cd zig-*
mkdir build
cd build
cmake .. -DZIG_STATIC_LLVM=ON -DCMAKE_PREFIX_PATH=/usr
make install -DPREFIX=/usr
注意:あたしはCRUXでしかコンパイル出来ませんでした。
Artix、OpenBSD、FreeBSDでは失敗しました。
Devuanは確認していません。
インストール後、新しいフォルダを作り、新しいプロジェクトを作成しましょう:
mkdir hello
cd hello
zig init-exe
現在のファイルは以下の様になります:
.
├── build.zig
└── src
└── main.zig
そのままzig build run
を実行すると:
# zig build run
All your codebase are belong to us.
Run `zig build test` to run the tests.
build.zigについては次の記事で紹介します。
まず、src/main.zigを開き、全て削除し、以下のコードを書いて下さい。
const std = @import("std");
const std.io = io;
pub fn main() !void {
const stdout_file = io.getStdOut().writer();
var bw = io.bufferedWriter(stdout_file);
const stdout = bw.writer();
try stdout.print("こんにちは、世界!\n", .{});
try bw.flush();
}
保存すると、以下のエラーが表示されます:
1 main.zig|2 col 10| : error: expected ';' after declaration
はい、エラーがあると、それを修正するまでテキストエディターを閉じる事が出来ません。
エラーを直しましょう!
const io = std.io; // ioとstd.ioを交換しましょう。
# zig build run
こんにちは、世界!
const std = @import("std");
これにより、Zigの公式標準ライブラリを使用出来る様になります。
const io = std.io;
これにより、ioコマンドをより簡単に実行出来る様になります。
例えば、「std.io.getStdOut().writer();」を「io.getStdOut().writer();」に短縮出来ます。
勿論、「const writer = std.io.getStdOut().writer();」と書く事も可能ですが、一度しか実行しないならばそれはもったいないです。
pub fn main() !void {}
pubは公開を意味し、fnは関数を意味します。
JavaやC#を使った経験があれば、「public function」の様な物です。
興味深い部分は「!void」です。
この「!」は「anyerror」と同じ意味を持ちます。
「void」だけであれば、戻り値の型はいつでもvoidですが、「!void」の場合は「エラーがあれば、そのエラーを返し、なければvoidになる」という意味になります。
とても便利だわー!!
try stdout.print("こんにちは、世界!\n", .{});
最後に、この「try」は「このコマンドがメモリ上で安全であれば、実行してください」という意味を持ちます。
また、この「.{}」は常に必要です。
値を使う場合は、それを「.{}」の中に入れましょう。
例えば:
const age: u8 = 20;
const name: []const u8 = "田中";
try stdout.print("{s}さん、{d}歳になったら、大人ですよ。\n", .{ name, age });
田中さん、20歳になったら、大人ですよ。
生成されるバイナリはzig-out/binフォルダに格納されます。
続く
匿名自営業076の設立者
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